第108回日本医史学会総会および学術大会

2007医史学会


4月7日の大阪はあいにくの小雨模用でしたが、大阪市大校舎には全国各地から医学史研究者がつめかけ、朝からみっちりと詰まった発表に熱心に耳を傾けていました。医史学会は、通常の学会では名誉会員に当たる位のベテラン会員が現役バリバリで発表し討論する学会ですが、今回は大学院生位の若い参加者を数多く見かけたのが印象的でした。

今回のメインテーマはご当地「大阪の蘭学史」でした。江戸時代に全国の薬の流通を一手に担った道修町緒方洪庵適塾など、日本の医学史にとって欠かせない場所を多数持つ大阪ならではの豊富なエピソードや文物を多数見聞きする事ができました。大阪において蘭学が発展したのには「①経済都市大阪で財力を持った豪商達が競って西洋の文物を集め、また彼らがパトロンとなって蘭学者・学塾を支えた②大阪商人の実学を重んじる姿勢が合理的な西洋文明とマッチした」といった理由があったようです。

昨年は中津、今年は大阪、この秋は長崎、来春は佐倉と会場を移しながら、ご当地に栄えた医学に光をあて掘り起こしていく医史学会は参加するだけでも非常に楽しいのですが、懇親会では「やはり発表しなきゃだめだよ」と発破をかけられます。来年の佐倉ではなんとか一演題出したいと考えています

(写真左上:会長講演、右上:お弁当に咲いた桜、下:市大医学部校舎から中庭を望む)