第34回日本集中治療医学会学術集会

学術集会の前日の夜には、会長が評議員や名誉会員などを集め学会開催のお礼と明日からの学術集会への協力を依頼するために、会長招宴というものを行なうのが通例です。しかし集中治療医学会は今年から有限責任中間法人というものになり、公的な性格を帯びる事となりました。加えて公正取引委員会からの様々な指摘もあり、本学術集会は大きくその性格を一変させる事となりました。取り組みの一環として今回の丸山学会長は会長招宴を廃し、一般会員がオープンに参加できる”歓迎の夕べ”を新設し、一般プログラムの中に取り込む事としたのです。

歓迎の夕べでは、近世大阪において緒方洪庵と共に「学の洪庵,術の老柳」と並び称された原老柳の事跡について、ノンフィクション作家・松本 順司先生の講演があるとの事で参加してきました。講演では原老柳の事跡について、彼の人間くさいエピソードをふんだんに交えながらお聞かせいただきました。原老柳は漢学と蘭学に通じた確かな知識と腕を持ち、お金に執着せず患者を平等に扱い、酒や文化にも通じた優れた人物であったそうです。老柳は頻繁にとりあげられる人物ではないため、そのエピソードは大変面白いものでありました。