日本医家伝

吉村昭著「日本医家伝」1973年講談社を読む。とても有名な本なのですが、今まで出会う機会がありませんでした。ある日Amazonマーケットプレイスで見つけたのですが、なんと1円でした(送料は340円)。あまりの安さに怪しく思ったのですが、まともな本が届かなくても341円ならいいかと注文してみたところ、届いた本は案外まともでびっくりしました。

同書の内容については最近の研究成果と合わない所も出てきているようですが、さすがは吉村昭、読み物としてとても面白く一気に読めてしまいます。著者の後書きには「著名な医家である事はもちろんだが、あくまでも人間的に私の関心を強くひく人物を書く事にした」とあります。登場する12人は、名を上げた後に転落人生を送るなど、とても人間くさい人達ばかりなのですが、医学へのあくなき情熱を持って猛烈に勉強した人達です。つい日常に埋没しそうになる館長には大きな刺激となりました

日本医家伝 (講談社文庫 よ)

日本医家伝 (講談社文庫 よ)