オピオイド麻酔の誕生

世はレミフェンタ一色ですが、朝の論文紹介に大量モルヒネ麻酔が広まる契機となった Lowenstein の 1969年の論文、Cardiovascular response to large doses of intravenous morphine in man. New England Journal of Medicine, Vol 281, No25, 1969 を Lowenstein 自身が回顧した文章 The Birth of Opioid Anesthesia. Anesthesiology 2004; 100:1013-5 をとりあげました。

1962年MGHでは心臓手術の麻酔導入にチオペンタール・サクシニルコリンを用い、笑気・ハロタン・クラーレで維持していました。麻酔導入には必ず低血圧と頻脈がおこり、実に3/7が麻酔導入時心停止を起こしました。一見成功に思えた手術後にも患者が急死する事が良くあったそうです。しかし、大量モルヒネの導入により、麻酔時・集中治療時の患者管理はとても安全になったと記されていました。

発表を聞いてくれた先輩からは「セボが世の中に出たときも麻酔管理が一気に簡単になった」というコメントをもらいました。果たしてレミフェンタの登場も麻酔の管理を変えるエポックとなるのか?時代の節目に居合わせられる事を幸運に思います