ASA2006シカゴ

hakubutsukancho2006-10-18


18-19にかけ、トロント総合病院訪問

一緒に行動していたN先生の高校時代の畏友I先生の留学しているトロント総合病院を訪問。I先生の指導教授フィッシャー教授とお会いする機会をいただきました

トロント総合病院の隣には有名なトロント小児病院がありますので、トロント総合病院は成人の手術がメインで心臓手術は横4件で施行されているそうです。フィッシャー教授は豊富なグラントをいくつも持ち、ラボにおいては12名あまりのMEをかかえ、CADや実験機器・数多くのコンピューターがならんでいました。驚くべき事にこの研究室で医師なのはフィッシャー教授とI先生のみなのだそうです。ユタ大学の麻酔科でも多くのMEを抱えているという話を聞いたことがありましたが、これほどまでの所はそうは無いでしょう。麻酔分野においては優秀なME諸氏の力が有用だということを改めて認識しました


聞きかじりですが、カナダにおける医療事情を

カナダにおいては勤労者は皆保険となっており、歯科治療以外の医療費は”全額無料”です(しかし北欧諸国と同じで税金はとても高い)。イギリスと同じように主治医制となっており、たとえ眼が痛くなっても主治医を通さなければならないため、眼科医に診てもらうまでにはとても時間がかかるそうです。TKAなどの直接命に関わらない病気では3年近く待たされたというエピソードまであるようです。主治医となる一般家庭医の年収は上限が決められており、ある程度以上はいくら働いても給料が上がらないせいもあってか、一般に主治医の仕事は非常にゆっくりなのだそうです。やはり、日本のように患者が”すぐ”に”安く””専門の医師に”アクセスできる環境など稀有な存在なのです。そんな日本では最近医療崩壊が叫ばれていますが、患者さん側から見たら間違いなく世界一の素晴らしい日本の受診環境を守り、なおかつ医療関係者が誇りをもってのびのびと働ける環境を是非とも作ってほしいと、心から願います